心の奥深くで
小さく震えている子がいる
その存在は
純粋でとてもきれい
その子は
仄暗いその場所で
大切な人が
迎えに来るのを待っている
「寂しかったね」
「もう大丈夫だよ」
そんな風に その人が迎えに来て
温かくふわりと包みこんでくれる
その時をずっと待っている
けれど、保護者でもあるその人は
まだその存在に 気づかない
迎えに来てくれるまで
もう少しだけ 時間がかかりそう
そうしてるあいだも
その子は 寂しそうに怯え続ける
だから私は
小さく震える その子のそばに行き
その人が迎えに来る
その時まで
その子にそっと寄り添う
「大丈夫だよ」
「もう少しで迎えに来るよ」
「寂しかったよね」
そんなふうに
落ち着くように 語りかける
やがて 保護してくれるその人が
こちらに気付き
心の奥へと降りる
その場所へ
階段を下り 迎えに行けるように
その橋渡しをしたい
その子が本当に求めるのは
その子を 守り育てるのは
私ではなく
その子を内側に持つ
その人でしかないから
その役割は私ではない
だから
無力な私は 祈るように願う
どうかその子が待ち続ける その人が
こちらに 気付いてくれますように
近くに来て しゃがみ込み
その顔を覗き込みながら
寂しさに気付こうと
怒りを受け止めようと
悲しさと共にあろうと
懸命に耳を傾け 寄り添おうとする
その光景が 見られるように
道が繋がるように
それを信じ
心の中で
それを願いながら
ただ共にいる